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「あれあれ?メール来てた」 携帯電話を開き、画面を見てまず香奈々が言ったのはそんな一言だった。 無論、早百合は聞いてはいるが反応を返す気力など皆無である。 因みに、これは香奈々に限らず生徒全員だが、学校では携帯電話はマナーモードにしている。 これは校則で決まっている事だ。 早百合達の学校では携帯電話は禁止されていないが、授業中に着信音がなったりした場合は没収される事になっている。 この没収された携帯電話は、一週間預かられて、反省文原稿用紙二枚分と引き換えに返してもらえる。 「…」 メールを開いたらしい香奈々は無言で歩みを止めた。 「…うぇ?どうした香奈々…?」 これにはさすがに早百合も立ち止まり振り返る。 「…何々、これ…」 香奈々の顔は青ざめていた。 「ど、どうしたの?」 その普通でない様子に、早百合は思わず香奈々に駆け寄った。 「…こ、これ…」 香奈々はそう言って早百合に携帯電話を渡した。 早百合はその画面に表示されている文面を見た。 .
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