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なんとか香奈々をなだめながらボロボロアパートへ帰る。 「…私、ここに行く…」 「…うん、そうだね。そのメールが本当ならそうしないとまずいし、何も無いならそれでいいしね」 というか、何も無いにこしたことは無い。 早百合はそう思った。 「私も一緒に行こうか?」 「…ダメダメ、早百合を巻き込みたくないもん」 こんな時でも自分を気遣える香奈々を、早百合は素直に凄いと思った。 その後も、やっぱり自分も行くよ、巻き込みたくないよというやり取りを何度か繰り返して、二人はボロボロアパートに着いた。 香奈々と別れ(と言っても早百合の家の前まで一緒だし、同じボロボロアパートに住んでいるのだが)バイトに出かける早百合。 「…なんなのよ、あの気味悪いメール…」 バイトに行く道中も、あのメールの事が頭から離れない。 「…アドレスのないメール…か…」 何かが引っかかる早百合。 「何だろう…」 しかし、その引っかかる何かの正体はわからなかった。 .
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