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「いらっしゃっせ~」 頭の中に引っかかる何かを残したままバイトをする早百合。 「…紫さん、大丈夫?なんだか上の空っぽいけど」 森が心配して話しかけてきた。 「え?そ、そんな事無いですよ?」 外には出さない様にしていたつもりだったのだが、森に見抜かれてしまった。 そのため、微妙に動揺してしまった早百合。 「そう?ならいいんだけど…調子悪いなら、早上がりしてもいいよ?今日暇だしさ」 「本当に大丈夫です。心配してくださってありがとうございます」 早百合はそう言い、しっかり時間まで働いた。 やはり責任感は強いようだ。 「そういえばさ」 もうすぐ上がりの時間という頃に話しかけてきた森。 「今度バイトの連絡先の表、作り直すらしいんだ」 「はあ」 「で、店長に聞いておくように頼まれたんだけど」 「はい」 「紫さん、連絡先の番号って変わってないよね?」 「はい、そのままです」 それだけ聞いて、「うん、わかった。じゃあ、時間だから上がっていいよ」と森は話を終わらせた。 .
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