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「…この辺り、だよね?」 自分の方向感覚に自信の無い早百合は香奈々に尋ねた。 「そうそう、間違ってないよ」 香奈々は携帯電話の画面でメールに添付されていた地図を確認しながら言った。 あれから。 早百合が自分にも件のメールが届いていた事に気付いた日の翌日。 早百合は香奈々に、その事を話した。 「あれあれ?早百合、携帯持ってたの?」 まず第一声がそれだった。 まあ、今まで早百合が携帯電話を持っている事は誰にも言っていなかったのだから、無理もなかろう。 「てかてか、同じメールって…内容とかも、全部?」 「あ…そういえば、まだ開けて無かった…アドレス確認しただけだったから」 しかし、確認するまでもなく、アドレスの無いメールなど香奈々と同じメール以外に有り得ないだろう。 二人ともそう思いながらメールを開封してみれば、案の定だった。 例の文面に例の地図が添付されていた。 ゾクリとした、あの追伸もそのままだった。 .
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