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そして、夏休み初日。 つまり、昨日。 その日はファミリーレストランでなく図書館で宿題に取りかかった二人。 「…ふぅ、こっちは終わったよ。そっちどう?」 という会話を早百合が始めたのは午後三時をまわった頃だった。 前日にファミリーレストランでも少し片しておいたので、この日のうちに終わらせる事が出来そうだった。 「ういうい、こっちはあと数学だけだよ」 今終わらせた国語のプリントをトントンと整えながら言う香奈々。 「数学?」 「うんうん、数学」 「数学…」 数学。 それは二人にとって大きな壁だった。 まあ、ただ単に苦手なわけだが。 「…とりあえず、やろっか」 「…ういうい」 そこで諦めて帰って来てからやろうという風にしないあたり、やはり二人は真面目なのだろう。 .
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