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「うわぁ…」 「これはこれは…」 トンネルに着いた二人の声である。 遠目に見た時は古ぼけている程度にしか思っていなかったが、間近で見ると想像以上に凄かった。 あちこちにひびが入り、そのひびから草が生えている。 出入り口辺りには木も絡みついて、所々に苔まで生えている。 早百合達のアパートと良い勝負のボロボロ具合だった。 「…これ、向こうに抜けるまでに崩れたりしないよね…?」 不安そうに言う早百合。 「…多分…」 不安そうに応える香奈々。 「…行こっか…?」 「…ういうい…」 二人は度胸を決めてトンネルに入って行った。 .
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