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二人は長いトンネルを抜ける。 しばらく暗いトンネル内に居たせいか、目が眩んだ。 「…ここは…」 なんとか目が慣れ、辺りを見回すと。 そこには地獄の風景など勿論無かった。 「…学校…?」 そう。 そこは広いグラウンドにブランコや鉄棒があり、そのグラウンドに古い校舎が建つ、学校だった。 古い校舎とはいっても、木製であるほど古くはない。 だが、その校舎は先ほどのトンネルのようにあちこちにひびが入り、長く放置されていた感じが漂っている。 グラウンドにあるブランコや鉄棒も、錆だらけだ。 かなりの間、人の出入りが無かった場所らしい。 「…なんていうか…」 「…不気味、だね…」 二人はその風景を見て立ち尽くす。 「…ここが、集合場所かな?」 早百合は香奈々に尋ねる。 「…うんうん、多分間違いないね」 再び携帯電話を開いて地図を確認しながら香奈々は言った。 「…とりあえず、ここで待っていればいいのかな?」 再び香奈々に尋ねる早百合。 「…多分…」 自信なさげに応える香奈々。 二人はどうしたらいいのか分からず立ち尽くしていた。 と、その時。 「なんだぁ?随分と辺鄙な所にでちまったなぁ」 と、二人の背後から男性の声がした。 .
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