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「およよ、なんか人増えてんじゃんよ」 校内から出て来た、夏なのにニット帽を被り、タンクトップに半ズボンをはいている不健康そうな男が言った。 「あら、本当ですね」 綺麗な黒い長髪をしたワンピースの女性がニット帽の男に言われ、早百合達を見て言った。 「…」 工事用の黄色いヘルメットを被った、いかにも工事現場にいそうな装いをした目つきの鋭い男は無言で早百合達を見ていた。 「…また増えやがったな…一体何人いるんだよ、全く…」 彼方との相談中に、校舎から現れた三人に気付いた桜亥はブツブツ呟きながら三人に向かって歩いていった。 どうやら、学生等の未成年者には彼方、成年者には自分、という役割分担が桜亥の中にはあるらしい。 .
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