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「…随分、人が増えたね」 森が早百合に言う。 「本当ですね。まさかこんなにあのメールを受け取った人がいたなんて」 早百合は本当に驚いていた。 今、ここに集まったのは早百合達を含めて十三人。 ここに来るときには、メールがきたのは自分達だけだと思っていた。 恐らく香奈々もそうだろう。 しかし早百合は、驚くと同時に、少し安心していた。 自分達だけでは無かった事、同じ仲間がいた事に。 きっと、香奈々もそうなのだろう。 右様、左様と遊んでいるのがなによりの証拠だ。 先程までの香奈々ならどんなに気が合う相手でも、遊ぶような心の余裕は無かった筈だ。 「…しかし、どうなるんだろうね、これから」 森がぼんやりと彼方の方を見ながら言う。 「…全く、わかりませんね…」 早百合もぼんやりと彼方の方を見ながら答える。 そうだ。 たとえいくら仲間が居たとしても、これから自分達がどうなるのか、という不安が拭えた訳ではないのだ。 二人が漠然とした不安を抱えながら見ていると、お互いに話を聞き終えたのか、桜亥と彼方が互いに歩み寄り、何か話している。 しばらく二人で話した後、桜亥が全員に声をかけた。 「あ~、みんな、ちぃとこっちに集まってくれ!」 それを聞き全員が素直に集まったのは、やはり相手が刑事だからだろう。 .
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