・壱・

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  -*-  二時間目始業のチャイムが鳴り響く。   それと同時に教室に戻ってきた紅花。  「怒られてきたよー」  そう言いながら席につく紅花。紅花の席は私の前だ。ちなみに私達は窓側。   先生が教室に入ってきたので授業が始まる。    「――…よって日本で初めて全国統一の野望を抱いたのが織田信長であって――…」  今習っているのは戦国時代でちょうど織田信長のところだ。織田信長が本能寺の変で明智光秀に敗れたりするってことなどは常識で知ってる。日本史で学ぶのは中学の時に学ぶもののようなアバウトなものじゃなく、細かい年代と戦の名前が出てきてる……  私は次のページをめくる。 【近江の浅井、越前の朝倉…】   見事に戦ばっかりだね…そんなに人殺すの楽しかったの!?…今の時代からは考えられないことだよね…  まぁ先輩とは全く異なった人種に間違いない!  あぁ…先輩に会いたくなっちゃった。  ふと窓際の席の私はグラウンドに目を向ける。  あっ、二年生は体育なんだ。体操服が青だし……ってことは  やっぱり!  先輩がいる!  気付かないかな?  気付け!  じっと昴先輩に熱い視線を送る。  すると……先輩がこっちを見た……?  ……見てない。  はぁ……この視線に気付かないなんて…… 「はぁ……」  思わず溜め息。 「柏原。私の授業、溜め息が出るくらぃつまらないのか?」  先生の頭にイカリマークが付いてる様に見えた。 「いっいえ、そぅいう意味では……」 「成績がいいからといって授業を疎かにするなよ。罰として少しの間立ってなさい。」  ……最悪  ふと、グラウンドに目をやる。  うっ……!昴先輩がこっち見てるし!!  こんな時に……しかも、手振ってるよぉ…… 「柏原!よそ見をするな。」  そぅ言って先生は私の頭を軽く本でこずいた。  絶対先輩に見られた!  ……ホント、今日はついてない…… .
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