9249人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
―――桔梗
誰かが私の名前をよんでいる…だれ?
そっと目を開ける―…
「気が付いた?」
「先輩…」
私の手を握って…心配そうに顔眺めていた。
「…ここ…は?」
頭がぼうっとしてはっきりしない。
「保健室だよ。部活が終わったあと教室に行ったら佐野(紅花の名字)が図書室にいるって言ったから迎えに行ったんだよ。そしたら、倒れていて、マジびっくりした」
「そうだったんですか?ごめんなさい。心配かけてしまって……」
「いい!桔梗に何もなくてほんと安心したから」
安堵した顔を私に見せる。心配かけちゃった……
ふと窓を見ると日が暮れていた。
「先輩、今何時ですか!?」
携帯を開いた先輩は6時半だと教えてくれた。
「6時半……!?」
私は急いでベッドから降りる。
「桔梗?どうした?」
「早く帰らないと!」
お兄ちゃんに怒られる!私の家には門限があって……やばい。
いきなり立ったものだから立ちくらみをしてしまい先輩が私を支えた。
「いきなり立ったら駄目だろ?家の人には俺が連絡したから大丈夫だよ」
「家に?」
「桔梗の担任に家の番号教えてもらったんだよ」
「先輩がかけたんですか!?」
「そうだけど?駄目だった?」
「いっいぇ……そういうわけでは」
お兄ちゃん達にばれたかな??
不安に思いながらも先輩が支えてくれている手を離した。
いやな予感がする。
廊下を走ってる足音が近づいてきていた。その足音が保健室の前で止まるのと同時に扉は開く。
「「ききょー!!」」
いやな予感は的中。お兄ちゃん達、二人が息をきらしながら私の方へ近づいてきた。
「やっぱり。お兄ちゃん達わざわざこなくても!」
「何を言ってるのですか!倒れたと聞いて……死ぬ気で車を走らせたんですから!」
「そうだぞ!水月はな、いつもはすっげー安全運転なのに今日はお年寄りも引く勢いだったんだぞ!」
「葉月そんな余計な話しはいいんですよ。それより、早く帰りましょう。病院に寄っていきますか?」
「いいよ。大丈夫。って一緒に帰らない。先輩がいるし」
「「先輩?」」
「あっ、俺です。明智 昴といいます。高校二年です。ちなみに柏原さんとお付き合いさせてもらってます」
お兄ちゃん達は先輩の顔を見ると驚いた様子。そして聞いたことのある名前を呟いた。
「「…光秀…?」」
――ん?
.
最初のコメントを投稿しよう!