・壱・

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―次の日の朝― 「じゃ!おかーさんは今からアメリカに行くわね!今度、帰る時はちゃーんと連絡するわ。水月、葉月、あんまり桔梗に干渉しちゃいけないわよ」 「それは無理だよ。かーさん」 「葉月お兄ちゃん!」 「早く妹ばなれしなさいよね」 「お母さん。早く行かないと飛行機に遅れますよ。」 「わかってるわよ。急かさないの」  お母さんはスーツケースを手に持つと「じゃーね」と手を振り、笑顔で去って行った。あの年では考えられないほど行動力のある母に私はいつも驚く。   さて。私も学校に行こう。   お母さんが出ていってすぐ私も準備をしてから家を出ようとした。すると水月お兄ちゃんが私を呼び止めた。  「どうしたの?」 「今日は学校が終わったらすぐに帰ってきてくださいね」 「?」 「少し、話しがあるんですよ」 「?分かった。じゃあ行ってきます」  話しって何なんだろうと思いながら家を出ていった。  .
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