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……数分後
「姫様、正常にお戻りになられましたか?」
ハッ……!あまりにも普通じゃ無さすぎて、意識飛んじゃってた。てか!
「私、嫌!早く家に返して!どうして……」
どうして私がこんな時代に来なくちゃいけないの?
「……私は姫様の本当の兄ではございません。無論、葉月もでございます。」
「は……!?」
突然、水月お兄ちゃんは突拍子もないことを言い始めた。
「私と葉月は四年前、姫様が中学に上がられる頃に平成の世に行き、母上様と二人で暮らしていた姫様方の家族になり今まで一緒に暮らしてきました」
「そんなはずない!お兄ちゃん達はもっと小さい頃から一緒にいたよ!写真……保育園の入園式に私とお兄ちゃんの三人でとった写真だって家にあるじゃん!」
私はお兄ちゃん達と昔の写真を見ながら笑いあっていた日を思い出していた。
「写真など、本当は姫様しか写っていなかったものに私達の姿を写しただけでございます」
「……じゃあ私の記憶は偽物?お兄ちゃん達と過ごした幼い記憶は」
水月お兄ちゃんは今まで一度だって目を見ないで話したことないのに、今……目を反らした
「私が平成の世に向かった理由。それは私達がお仕えする殿様の姫君、帰蝶様の生まれ変わりであられる桔梗様をこの時代に連れてくる命を受けたからにございます」
「帰蝶?」
「斎藤道三様の娘君にございます」
私が帰蝶の生まれ変わり?だから何なの?
「帰蝶様は四ヶ月前にお亡くなりになっています。これは、僅かな側近しか知りません。姫様が亡くなった、と決して知れてはならないのです。」
「どうして?」
「帰蝶様は尾張の織田信秀の嫡男に嫁ぐことになっています。これは国とって大きな礎となる、予定でした。しかし……」
「その要となる帰蝶さんが亡くなった……で、私を代わりにしようと?」
「はい」
お兄ちゃんは目を反らさずにそう言った。
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