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プチッ……
「……もぅ!やだ!私だってもう高校生なんだし、彼氏の一人ぐらいできるよ!どうしてお兄ちゃん達がそんなに干渉してくるのよ!」
「そんなに怒ることじゃないでしょう?私達は兄であり父の役割も果たしているのですから」
確かにお父さんはいないけど……
「……わざわざ娘の彼氏に嫌な思いをさせることに躍起になるお父さんなんかそんな簡単にいないはずよ!お兄ちゃん達は尚更!バカ兄'S!!」
私は捕まれていた両腕を強く振って二人から逃れた。階段を勢いよく上がり扉を思いっきり強く閉めた。
「あーぁ……ぷっつんしちまった。水月のせいだな」
「葉月のせいでしょ」
「……二人だな。でも大切な姫だからな。変な男といられちゃ困る……」
「……葉月の方が言わなくてもいいことばかり言うから」
「まぁ大丈夫だろ。飯になったらケロッとした顔、見せてくれるはず!兄を本気で嫌う子じゃないしな」
「……本当の兄ではないですけどね」
「お前それ言うな」
「さて、今夜は桔梗が好きなものでも作りましょうかね」
「焼き肉だな!」
「は?それは葉月の好きなものでしょう?」
「えーいいじゃん」
「桔梗の機嫌とるためなのに、何故お前の好きなものを私が作らないといけないんですか」
「……だよね。じゃあ~」
「「すき焼き」」
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