・壱・

7/26

9249人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
 あのまま寝てしまったんだ……目を覚ますと、ベットの上に倒れこんだ状態。私はお風呂に入りたくなって携帯を持ち部屋を出た。   下に降りようとした時水月お兄ちゃんの部屋から二人の声がした。  私は今、何時なのか携帯で確認。 「夜中の2時……」   私は呟く。  ってかお兄ちゃん達、こんな時間まで何を話してんのかな?もしかして先輩についてかも!?と思い耳をドアにあて中からの話し声を聞いていた。  「もうそろそろだな」 「そうですね……もぅ日にちが近づいています。姫さまを早く連れて行き、慣れさせなければいけませんね」 「殿は元気にしていらっしゃるだろうか?」 「あんな状態でしたからね。でも、もう…大丈夫だと思いますよ。」  ……『姫さま』『殿』??何の話ししてるの??今の世の中に姫さまなんて呼ばれる人って…いるのかな? …お兄ちゃん達大丈夫かな?なんか変なものでも食べたのかも。  とにかく先輩以外の話しをしていたから聞かなかったことにしよう。私はそのまま足音を起てないように足元に注意しながら階段を下りて行った。  お風呂から出ると、すごく喉が渇いた。台所に向かうと、電気を付け、冷蔵庫からミネラルウォーターの入ったペットボトルを取りだした。  コップに注ぐと一気に喉に流し込む。 「ぷはー!」  あーなんか身体が潤った感じー!  ふと、テーブルを見ると蓋をした鍋がある。  こっこれは……すき焼きじゃーん!  蓋を開けると良い匂いが!  お腹がグゥーと鳴る。  もう夜中だし……今食べたら確実に太る。  でも……!  ちょっとだけなら……そう思ってガスコンロに火をつける。    煮だってきたのでお箸を取って口にお肉を入れる。 「うっまー!さすが葉月お兄ちゃん!」  すき焼き作る時ってだいたい私の機嫌とるときなんだよねー  まぁ……許してやるか。  そう思いながら、パクパクと、結構食べてしまい後悔することになる桔梗だった。 .
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9249人が本棚に入れています
本棚に追加