・十・

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 信長は私の姿を見るとフッと笑い、「もっとしろよ」って言いにきた。  いつもの私なら「馬鹿言わないでよ!」とか言ってるかもしれないけど今日は素直に頷くと、顔を両手で優しくもつと私の顔ギリギリに近付けて、頭に……額に……頬に……鼻に……それから唇にキスした。  最初は軽く当てるようなキスだったのが徐々に激しくなっていく。 「ふっ……ン……」  口内に信長の舌が入ってきた……  頭が真っ白になりそうなキス……  愛しい…… 「もっ……と」  無意識に口に出してしまう。恥なんかもう忘れてる。  信長が私の着物に手を入れてきた。 「……いい?」  熱っぽい瞳で信長はそう聞きにきた。そんな聞き方……なし!いいもなにも……私がもう我慢できない。信長の全てが欲しい……  私はコクリと頷くと信長の唇が首筋……鎖骨にキスをして、舌を這わせてくる。その度に甘い声が部屋に響く。  信長は私を畳の上に優しく寝かせると、自分の着物を上だけ脱ぐ形にしていた。帯はとらずに……その姿はあまりにも妖艶すぎて私は更に熱くなってくる。 「お濃……」  私を呼ぶ信長の声が私の耳に心地よく響く。 「のぶ……なが」  私も信長の名前を呼ぶ。  愛してる。本当に愛してる。愛してるって言葉だけじゃ足りないほどに……  私の名前は【桔梗】。桔梗の花の花言葉は【変わらない愛】  私の全てを信長にあげる……変わらない愛と共に。 「愛し……てる」 「俺の方が……愛してる」 .

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