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寒い。とにかく寒い。布団から出たくないのは冬ならではの現象だろう。きっと日本の八割の……いや、ほぼ全員が感じるこの現象。
「寒い~」
寝返りをうつ。すると目の前には見慣れたけど、俺をドキドキさせる輩の寝顔があった。
「スッー、スッー」
一定のリズムで、か弱い寝息を漏らしながら眠っている我が彼女、西崎優里だ。
あれ?何でいるの?と一瞬思うけれど、良く考えればここは優里の部屋。むしろ俺の方がアウト・オブ・プレイス(場違い)だ。
そういえば、俺は昨日優里の部屋に泊まったんだったな。何故か?大晦日だったから。
優里とポテチを食べながらほのぼのと過ごした大晦日。二人で何故か同時にポテチを食べて、笑いながら年越しした。
いわば……年越しポテチ?
しかし……可愛い寝顔だこと。無茶苦茶イタズラしたくなる。
「ん……」
優里の瞼がゆっくり開く。その綺麗な指で目を擦りながら「ん~」と言っている。
マジで可愛い。抱きしめたくなる。
「あ、お早うございます勇斗さん……」
「もう昼だけどな」
そう……もう昼だ。今朝の5時まで起きてたから仕方がない事だけども。
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