はじまりの夜

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森の中だった。彼女は木の上で息を殺し、耳を澄ませていた。異変を感じて家から飛び出してきたのだが、どうやら子供が森に迷い込んだらしい。狼たちが騒がしかった。 空を見上げれば、今夜は青い満月だった。 見捨てても良いのだが、大人達が死体を見付けて騒いで、自分のせいにされたらたまらない。まったく迷惑な子供だ。 狼の遠吠えが聞こえた。おそらく獲物を見付けて、仲間に知らせるためのものだろう。彼女は木から飛び降り、その方向に走った。
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