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【小雪】「直樹、折角の景色なんだから一緒に座って見よ」
【直樹】「それもそうだな………」
俺は小雪の傍に寄ると、寄り添うようにしながら座った。
【小雪】「………うん、やっぱりここに来ると色んな事を思い出すね」
【直樹】「ああ、何たってここは………俺達の思い出でもあり、全ての始まりでもあるんだからな」
そう………ここは、俺達のスタートラインなんだ。
それに、俺と小雪の絆を結ぶ場所でもあるしな。
【小雪】「うん……」
【直樹】「小雪……?」
遠い目で夕方の景色を見つめる小雪。
その顔が少し寂しそうな気がしたが、それも一瞬の事。
すぐに笑顔になると、勢いよく立ち上がった。
【小雪】「そろそろ暗くなるし、帰ろ直樹」
【直樹】「ん? ああ、そうだな」
笑顔で手を差し延べて来る小雪。
俺は、小雪の手を掴むと一気に立ち上がった。
【直樹】「それじゃあ、帰ろうか。
俺達の居場所へ」
【小雪】「うん!」
最初に会った時とは考えられない笑顔。
俺は………いや、俺達はその笑顔を絶やさないようにしながら手を繋ぎ山を下りるのだった。
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