『涙音』

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何も聞こえない真っ白な世界。 ―――……私は…死んだのか? 極楽へ行けるとは思ってなかったが、まさか何も無い所へ来ようとは…… 一人、微笑を浮かべ懐かしき日々を思い出し、涙を浮かべた。 ―――結局、私は皆に迷惑を掛けどうしだったな…… それに……また一人か………。 『――そうでもねぇぜ?』 「――ぇ?」 一人だと思った瞬間、笑いを含んだ懐かしい声が何も無い空間に響いた。 『――ったく、死人にまで心配かけさすんじゃねぇよ。』 振り向く間もなく、クシャクシャっと頭を懐かしい感触が襲った。 「……ぅ……あっ………。」 振り向かなくても分かる。 この手は…………元親――!!! 幸里は躊躇う事無く振り向き、その胸に顔を埋めた。 .
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