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『――コレも俺があの世に持っててやる。お前は笑って、アイツらの所へ戻れ……なっ?』
そう言って元親は幸里の焼き印に口付けた。
「――ぁあっ!」
体の中をずっと蝕んでいた紅い炎が、すぅーっと元親の手の平に収まっていく。
元親は勝ち誇ったように手の平の炎に笑うと、幸里の頬に手を伸ばし、切なげに頬を撫でた。
『……迎えに行くまで泣くなよ。必ず……迎えに行くからよ。』
元親の体が急に光り出した。
「――元親っ!!好きだよ。ずっと……待ってる……からね。」
幸里はたまらずに消えかける元親に抱きつき、泣きながら口付けを交わした。
辺りが光に包まれ光の中から元親の声が聞こえた。
『――あぁ。俺も愛してる。』
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