戦場で

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もう慣れた、火薬のにおい。まだ慣れない、血のにおい。 久しぶりの戦場は、やはり怖かった。 兵隊という職ながら戦場にあまり出たことのない彼は、もはや争いの終わった森をそろそろと進んでいた。結果は奇襲を仕掛けたこちらの勝ち。とはいってもまだまだ残党は残っているはずなので彼の行動に文句を言う者はない。 と、前をゆく兵士が合図した。何か見付けたらしい。 「テントです。人がいるようですが。」
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