20人が本棚に入れています
本棚に追加
「巫女には跡継ぎがいたらしい。といってもまだお前と同じぐらいの子供だろうがな。探して殺しておけ。この近くにいるはずだ。」
「はい。父さん。」
男は少年の返事に満足したらしく、もう寝る、といって部屋から出ていった。その際少しよろけた父親を手伝うことなく冷めた目で見送って、少年は床に目を落とした。
そこには父の左腕が落ちていて、絨毯に赤黒いしみを作っていた。少年はそれを冷たい目で見下ろして、呟いた。
「消えろ。」
蒸発するように腕が跡形もなく消えた。少年は絨毯に汚れがないことを確かめると、ベットに向かう。
最初のコメントを投稿しよう!