序 竜の住む塔

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思った通り少女は起きていて、不思議に静かな琥珀色の瞳で少年を見つめた。 「私を殺すの?」 怖がっている様子は少しも見えない。少年は首を振った。 「でも、お父さんに怒られちゃうよ?」 本当に不思議そうに尋ねた少女に少年は微笑んだ。 「あの人はあと三年は眠っているから。それまでに僕があの人より強くなればいいんだ。」 「そっか。それなら怒られないね。」 少女も笑う。頑張って、と。
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