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「さあ、そろそろここから離れないと。君、羽持ってたよね。」
「うん。でも飛んだことはないの。ここまでお祖母ちゃんが連れてきてくれたから。」
「じゃあ僕が途中まで送るよ。」
二人は並んでベランダに出た。少女の美しい羽に対して、少年の翼はただ真っ黒。しかし少女はそれを見て、綺麗だと言った。
「じゃあ、行こうか。」
二人、手を繋いで飛び立つ。危なげな少女の飛行をサポートしながら少年は気遣った。
「寒くない?」
「ちょっと。でも大丈夫。」
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