第一章 再会

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「レトさん。あの…。」 彼女は自分よりも明らかに年下の、草原に座り込む少女に問うた。 「ラセ?ごめん。ちょっと考え事をしていたから。せっかくだから、今日は此処で。」 レトアナは柔らかく笑った。薄桃色の髪が風に舞う。同じく桃色のワンピースに白い手袋、とどこかの令嬢のようだった。 声をかけた彼女は藤色の髪をしていたが、それ以外は極めて地味な、けれど礼儀の保たれた少女の従者の様な格好だった。
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