第一章 再会

8/22
前へ
/209ページ
次へ
叫んだ声と、ラセが振り返ったのと、その前に彼女を守るように手を広げたユンが現れたのは、ほぼ同時。僅かに遅れて、細い剣がユンとラセを貫いた。 レトはその場から大きく飛び退く。細い剣の主は、2人から剣を引き抜いて、笑った。 「無駄なことを。」 男には彼女の命がもう助からないことが視えていた。 「ごめ…なさ…。」 呟いて崩れ落ちるラセをそっと抱きしめて、ユンは突然現れた黒ずくめの男を睨み付ける。ラセに憑く霊であるユンは、ラセ以外のものに触れることが出来ない。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加