20人が本棚に入れています
本棚に追加
叫んだ声と、ラセが振り返ったのと、その前に彼女を守るように手を広げたユンが現れたのは、ほぼ同時。僅かに遅れて、細い剣がユンとラセを貫いた。
レトはその場から大きく飛び退く。細い剣の主は、2人から剣を引き抜いて、笑った。
「無駄なことを。」
男には彼女の命がもう助からないことが視えていた。
「ごめ…なさ…。」
呟いて崩れ落ちるラセをそっと抱きしめて、ユンは突然現れた黒ずくめの男を睨み付ける。ラセに憑く霊であるユンは、ラセ以外のものに触れることが出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!