第一章 再会

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長い髪も、身を包むマントも漆黒のその男は瞳だけが灰色で、その目の色は銀と言えないこともなかった。まるでユンと対になるようなその存在は彼には目もくれず、レトの前に立った。 「花を摘みに来た。」 年はラセと同じぐらいだろうか。その割に老獪な声だった。 「花はまだ咲いてはいない。まだつぼみを付けてすらいない。お帰りください。」 「ならばお前を殺せばいい話だ。」 「分かりました。こちらも手加減はしません。」
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