序 竜の住む塔

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「父さん。どうして生きているの…?」 彼の命はもう絶えていた。それを視た少年は思わずそう言った。 それを聞いた男は一瞬驚き、そして笑った。 身体が揺れて、辛うじてつながっていたらしい左腕がごとり、と落ちた。なるほどこれではドアが開けられないな、と自分の父親が死んでいるのに少年は冷静に考えて、ベットに寝ている少女が起きないか心配した。
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