《潤》ジュン

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待ち合わせは 俺のお気に入りの喫茶店 『チャイム』 さすがに 日の高いうちから アルコールあります!って 店にはいけないからさ。 「早く帰ったほうがいいと思うよ 俺は……」 コーヒーにシュガーを入れ スプーンをくるくる回しながら 潤の説教が始まろうとしている いつもの事だけどね。 「そのうち帰るよ 一週間くらいかな?」 俺はわざと会話を 中断させように 先手を打つ。 心配性の彼には まず安心させなきゃ……。 「そっか、よかった! 親父も心配してたんだよ」 「へぇ~ 和志叔父さんが……ありがと」 「泊まるところあるの? うちに来たらいいじゃん」 「は?いいよ! 俺を誰だと思ってるんだよ~ 俺を独占したい!って 思っている女が たくさんいるんだよ」 俺は飲みかけのコーヒーを 一気に飲み干すと バッグを肩に回し 潤に愛想笑いをした。 これ以上 こいつといたら時間が もったいない。 本当にわがままだな、俺。
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