愛されるよりも

2/4
前へ
/561ページ
次へ
朝来る車の中で流れていた音楽が頭の中でリピートされる。 「あ~い~されるよ~り~も~」 それを、意識せぬままに口ずさんでいたらしい。 「あ~い~したい、ま・じ・で、」 「ご機嫌やな」 「うお!!」 楽屋で今日の衣装はどんなかな~?と振り返ろうとした瞬間声をかけられて、心臓が飛び出るくらい驚いた。 「そんな驚くようなことか?」 「いや、いきなり声かけられたから・・・・」 はぁ、まだ心臓ドキドキしとるわ。 「っていうかよくもまぁそんな古い歌を恥かしげもなく」 「へ?」 「キンキキッズやったっけ?」 「・・・・・・ああ」 そこで初めて、口ずさんでいたことに気がついた。 本心、やからやろうなぁ、無意識に口にでんの。 まだ時間があるからか、福田は衣装を一瞥すると椅子に座った。 そんな福田を見下ろして居たら、ムラムラと構いたい欲求が沸いて来た。
/561ページ

最初のコメントを投稿しよう!

904人が本棚に入れています
本棚に追加