赤子

6/8
前へ
/57ページ
次へ
「俺は昨日、出所したばかりで朝からずっと宛てもなくさ迷っていたんだ。俺には家族も待っていてくれる人もいなくてね…で、なんか泣き声が聞こえた気がしてこいつを見つけたんだ。こいつも俺と同じで居場所がない。なんだか助けてやりたくてね…あんたには迷惑かけたな。すまない。」 男は医者にあったことを話した。 「そうか…可哀相に…警察に連絡してくる。安心しろ、君は命を救ったんだ。今日はうちに泊まるといい。」 医者はそう言って電話をかけに行った。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加