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遥か昔、ロキが魔神ではなく魔王をしていた頃
「もう終わりか?」
「くそ…」
魔王ロキの前に瀕死の状態で立つ勇者一行
「いい加減諦めたらどうだ。今なら、家まで送ってやるぞ」
魔王ロキは、移動用の魔法陣を造りだした
「ふざけるな…そんなこと…」
勇者が「そんなことできるか」と言おうとした時
(そうだ、俺には『アレ』があった)
勇者はある物を思い出し、袋から透明な玉を取り出した
「これは、力を封じる玉だ。これで、お前の力を封じてやる」
勇者は、封印石をロキに向かって投げた
「なんだと~」
ロキは、思わぬ攻撃に絶叫を上げ
ドン
玉は、ロキに当たった
しかし
「…………で?」
何も起こらない玉を拾い上げロキは、冷たい視線で勇者を見た
「ははは…まいったねこりゃ…」
勇者は、精一杯の笑顔(苦笑い)で答えた
「ふざけんじゃねぇ―」
「このヘボ勇者が」
「本当に最低」
勇者は、瀕死の状態にあった仲間達に罵声を浴びせられた
「仲間割れなら外でしてくれ」
ロキが軽く手を振るうと勇者一行は、光に包まれ外に転送された
「さて…」
一人残されたロキは、手に持つ封印石を眺め
「一応、戦利品として貰っておくか…」
そう言って、複雑な気分のまま玉座に座った
そして月日は流れ、魔神として此処に来た時に倉庫にしまったのである
「まさか、今頃効果がでるとは…」
ロキは、少し困ったが
「どうせすぐに戻るだろ」
と気楽に考えていた、そのときである
フワフワ
突然現れた無数の淡い光が、ロキの体を包み込み始めた
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