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直接関わり合いはない二人の出会い。
今年の一月。
まだ二年生の頃、三年生を卒業前に祝う行事を末に控えていた。
その実行委員に立候補したのが桜と百合。
桜には好きな先輩がいた。
告白をする勇気がなかった。
その先輩、山下葵が桜の初恋の人。
高校に入るまで、恋をすることがなかった。
出せた勇気はアドレスを聞いただけ。
それでも葵は優しく応えてくれ、ずっと支えてきてくれた。
でも、好きになってはくれなかった。
一度だけ言われた。
「桜は妹みたいだよ。」
この言葉が勇気を出すことへのとまどいにもなった。
そんな関係が続き、ついに葵は卒業をする。
この卒業を機に、桜は葵への気持ちを終わりにしようと決意した。
だからこそ。
実行委員に立候補した。
百合にも事情を話すと、笑顔でOKサインをくれた。
行事も終わり、言葉に出さずとも恋を終えることは確実にできた。
そして。
その実行委員会の責任者が佐倉優だった。
だからといって、特別話したわけではない。
記憶にある限り、言葉を交わしたのは一度だけ。
他愛ない会話で、中身を覚えていない。
それでも。
何故か優に惹かれ、それから度々優に声をかけるようになった。
優も桜を見つけると声をかける。
いつもクールで真面目な顔でいる優は一見近寄りがたい雰囲気もあるが、若さと生徒思いな所から隠れて人気があった。
初めは近寄りがたいと思っていたが、話してみると優の笑顔や言葉の優しさに温かい気持ちになった。
あまり感情を表に出さない不器用な人。
そう感じた。
そして、そこがまた魅力的だった。
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