苦悶

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 カレはムカムカとする胸をおさえながら考えていた。 「なぜ、あんな事をしてしまったのだろうか?」  いや、カレには自分が悪いのだということはわかっていた。カレの母親にも原因はあるのだろうが、実行したのはカレである。 「朝から3杯もカレーを食べるなんて」  カレは食べ過ぎで、胸焼けをおこしていた。  しかしカレは、この後に続く悲劇に気づくべきだった。  いや、今日は弁当をもってきていないという時点で気づくべきだった…。  今日は調理実習でカレーをつくるということを。  そもそもの原因は、カレの母親に調理実習でカレーをつくることを言わなかったことだ。  カレは知っていたはずなのに、弁当の無い前の日の晩ご飯はカレーだということを。  そして次の日の晩ご飯もカレーだということを…。
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