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「腹痛い。つかお湯くれ。」
次の時間のことだった。さっきの奴は右手にカップヌードルを持っていた。
「お前、腹痛いんじゃないのか?」
「嘘に決まってるだろ。」
「じゃあ出てけ。俺は病人と女の相手しかしねぇ。」
「はぁ。そんなこと言うか。なら、職員室にでもお湯でも貰いに行くか。」
そう言って、そいつは保健室から出て行った。
これで、やっと俺は仕事に集中できるという訳だ…。
?
ちょっと待て。
職員室?
まさかあいつ!?
俺は、急いで保健室から出たあいつを追った。
「おい樹!お前は具合悪いんだから寝てろ!」
するとあいつ…樹はニカーと笑って、んじゃお言葉に甘えるとしますか♪と言うと、俺にカップヌードルを持たせた。
糞!餓鬼が!童貞が!
「さっ♪食うとしますか。」
「やっぱり、あの時お前を放っておけばよかった。」
俺のそんな言葉を無視し、樹はカップヌードルを食べている。
あの時…
樹が、保健室で自分の手首を切った時…
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