悪友

2/11
前へ
/57ページ
次へ
いつもと変わらない日常。 そう俺が最も嫌いなものの一つに入る「学校」という存在。 季節は七月。 高校総体も終わり、大学に進学する人は、放課後の課外、そして家に帰ってからも大量の課題に追われている。 もちろん、藍と大和と石田も例外ではない。 ただ、認めたくはないが、やっぱり大和は天才で… 課外が終わってからの大量の課題なんて一時間も掛からずに、終わらせるので、放課後は俺と大和で、結城、海斗、正隆と遊んだりしていた。 まあ、楽しいと言ったら楽しいんだが、正直なところ藍と土日程度しか遊べないのは寂しい。 それに、あいつ泊まりに来ても勉強してるし、俺がチョッかい掛けると怒るからさ。 なんつうか、やっぱり寂しい。 それは大和も同じようだった。ただ酷いのは大和は石田に 「あんたって本当羨ましいよね。ちょっと勉強すれば何でも分かるんだから…」 なんて嫌味を言われまくって、その度に凹んでいるらしい。 まあ、俺も大和の頭のよさには時々嫉妬するが、今一生懸命勉強している藍や石田にとっては、妬ましくてたまらない存在だろう。 「俺が何悪いことしたよ?」 これが、最近の大和の口癖。 そんな俺たちにとって不満が付きまとっていた、ある日の学校での出来事。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

554人が本棚に入れています
本棚に追加