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「クロ!腹減った。とりあえず、鳥でも捕まえて来い!俺が焼いてやるから。」
「ニャ~。」
とクロはダルそうに俺に向かって鳴いた。
あ~。腹減った。
そう思ってるとインターホンが鳴った。
「は~い。」
と言って俺が玄関の戸を開けると、買い物袋を手に下げた藍がいた。
「今日の晩御飯は何でございますか?」
「今日の晩御飯は、あなたが好きなカレーになりますね♪」
「あ~、昼にレトルトの食った。却下!肉じゃががいい。」
「あっそ!なら帰るね!」
「だ~!嘘だって!昼にカレー食ってないし、お前の作ったカレー食べたい!」
「なら今度からは最初から正直に言ってください!」
そう言いながら、藍は俺の部屋に入った。
俺と藍は付き合ってから、学校では藍が作った弁当を食べてる。
まあ、これは付き合う前からだけど…
晩飯はというと、藍の家に食べに行ったり、藍が作りに来てくれたり。
ただ土曜日は決まって藍が作りに来てくれて、俺の家に泊まる。
今日は土曜日。
「今日も泊まるの?」
「ダメ?」
「駄目なんてことないけど、残念ながら今日は、二人っきりじゃないんだよね。」
「みんな来るの?」
「違う違う。あいつ。」
そう言って俺は藍が家に来た瞬間に、ベットの陰に隠れたクロを指さした。
「え!?樹君猫飼うの?」
「いや、あいつ野良猫だよ。」
そう言って、俺はクロと出会ったこととか、今までのことを話した。
「へ~。クロちゃんって言うんだ?やっぱり黒いから?」
「悪い?」
「センスな~い!」
「んじゃ藍ならなんてつける?」
「ん~~、…猫吉?」
「子ども出来たら名前は俺つけることにするわ…」
俺がそう言うと、藍は嬉しそうに笑いながら
「うわ~♪樹君結婚まで考えてるんだ?」
と言ってきた。
しまった!墓穴掘った…
「いや、その場のノリで言ったんだよ!」
「大丈夫だよ♪樹君の子ども産めるのは私だけだから♪」
ったく…
こいつは平気でこんなこと言うから、ペースが崩れるんだよ…
まあ、そういうとこも好きなんだけど…
つか俺…
本当に重症だよな?
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