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クロは外に出たそうにしていた。
俺は玄関の戸を開けてやった。
すると勢いよく、クロは出ていった。
「なるほど…。あいつ猫のくせに気を利かせやがったか。」
そう言って、俺は戸を閉めると藍の隣に行った。
「何か手伝うことない?」
「ん~。気持ちは嬉しいけど……邪魔かな?」
「お前、いっぺん天国見てくる?」
そう言うと藍は泣き目になって俺に
「だって樹君の包丁の使い方凄い危ないし、なんだって焼き過ぎるし…。別に本当に邪魔だなんて思ってないよ!」
と言ってきた。
ヤバっ…
マジで泣きそうな顔してる。
「そんな、顔すんなよ。冗談だって。はい!笑って?」
俺がそう言うと藍はぎこちなく笑顔を作った。
「はい。藍はそれでいいんだよ。」
「うん!わかった!」
会話を終えて、俺はベットの上に横になった。
しばらくすると
「できたよ~♪」
と藍が言ってきた。
まだクロは戻ってこない。
俺が心配してると藍が俺に聞いてきた。
「クロちゃんは?」
「さっき外に行きたがってたから出した。いつもは、寒い日は戻って来るんだけどな…」
俺がそう言うと藍は笑った。
そして口を開く。
「クロちゃんって樹君に似てるよね♪」
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