入学、そして驚愕

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『1年5組』と書かれた札を何となく一瞥し、俺は教室に再度踏み入れた。 これから始まる新しい日々。言うなればブランドニュースクールデイズなのだ。 そして俺はひっそりとカリスマ性を潜める。いずれ来るべき時に備え、能ある俺は爪を隠すんだ! と高揚していた気分はインサイダー取引がバレた一流株式企業の株並に大暴落する。 「よぉーっす。君は俺の席の前だよ。名前は草島大樹だね?良い名前だ。どこかエキセントリックでノスタルジックで神秘的な響きじゃないか。てなわけで、これから一年よろしくな、大樹!」 オーマイガー。 なぜ席順が50音順で並べられてない! なぜこいつに俺の名前がバレる! そしてなぜこんなに良く笑うやつなのに、笑顔がとてつもなく放送禁止フェイスなんだ! 「それはね」 ふと横から声がした。 「2つ目の質問に答えるよ。彼は、黒板に貼られているクラスの生徒名簿のプリントを見たんだね。ほら、顔写真と共に掲示されてるじゃないか」 確かに……。 「で、お前は誰だ?」
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