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おいおい、清水。お前はそんな星さんの親父さん並の頑固キャラじゃないだろ、という俺の独白に近いツッコミも無視され虚空に消え、さらに視線同士のガチンコ勝負でバチバチと火花散らす両者のにらみ合いは続くので、俺は隅でコークスクリューブローの練習をしていた。
「こんなんじゃ…!世界タイトルは狙えない!!」
元より狙う気はありません。町内で1番になりたいだけ。スケール小さいとか言うな。
ふぅ……寂しい。
未だ冷戦状態の二人をどうにかすべく、携帯を取りだしSっ娘リエーちゃんを呼ぶ。
「もしもしー?理恵?」
『なんなのよあんた。今補講終わったばかりなのに』
「なんかさ、屋上で修羅場ってるから来てよ。お願いします」
『………ったく、仕方ないわね』
そこで電話が切れた。
案外すんなり事が済んだので俺一安心。
とりあえず援軍到着まで待機することにした。
入口のドアが静かに開く。
シャドウボクシングを終え、振り向いた俺の目に飛び込んできたのは、理恵だけではなかった。
「まったく…リハーサルをしてたんじゃないの?」
と理恵。これはわかる。
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