入学、そして驚愕

9/11
前へ
/280ページ
次へ
カナディアンジョークを炸裂させた担任は、白のチョークを軽快なリズムで動かして黒板にこう書いた。 “フォーリ・F・ガルシア” 「これ私の名前」 いやいやいやいや、ハーフだろ?日本の血が半分流れる種族なんだろ? 思いっきり名前が海外要素満点ですが。 「あぁ間違えた……これ義姉の名前やーん!」 てへ、と舌を出し可愛くおどけるガルシア。なんかムカつく。 しかし容姿が良いのか、男子の過半数は目をハートマークにしている。ダメだこいつら。 「ちなみに義姉は完璧カナディアンでこの学校の英語教師やから、みんなよろしくしてやってな。ちなみにかなりの巨乳やで」 『イェーイ!』と大興奮の男子。 初日からシンクロ率の高いやつらだ。俺はあまり興味ないがな。 んでまた黒板にかきはじめたわけだ、名前を。 “佐藤ガルシア” 笑いをこらえるのに精一杯なんですけど……! 肩がかってに震えやがる。ダメだ、れっきとしたハーフなんだ。笑っては失礼だ……。 必死に笑いのツボと脳内格闘し、激戦の末俺は辛勝した。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1519人が本棚に入れています
本棚に追加