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『コードA:ラブラブカポー』
始動します。
ショーウインドウの前に、川崎と俺が立つ。他の女子一群は路地裏で待機(アイドル)中だ。
「ほら見ろよ川崎。これがジュエリーだぜ?早くお前がつけるところ見たいよ」
「わぁ……綺麗だね。早く草島君と結婚したいよ!」
演技だってんのに、川崎の目はすこぶる輝いている。迫真の演技なのか、リアリティーなのか。
「そうだなぁ……結婚式はどこで挙げようか?」
「う~んとね……かくかくしかじか」
このスイーツなやりとりを一部始終遠くから見ている向山のリアクションも気になるが、まだダメだな。次の作戦に移る。
とりあえず、一旦俺と川崎は解散した。
『コードB:ツンデレラタイム』
開始だ。
再びショーウインドウ前に舞い戻った俺は、理恵とジュエリーを見ていた。
「キレイだね。そう、まるで汚れを知らない無垢な少女のハートのようだ」
「そうね」
「おっと失礼。理恵、君以外の女の子のことを考えてしまった私を許してはくれないか?」
「いいわよ」
「ありがとう。その優しさ、その気高さ、その美しさ、まさに君は現代に蘇りし楊貴妃のようだ」
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