決行×決着×決別

14/16
前へ
/280ページ
次へ
北欧神話の英雄召喚。 これこそが俺の切り札だ。 「アースガルズ・ヴァルハラより降臨!貴公の奇行を止めに入った」 いきなり寒いダジャレをぶつける英雄。 その正体は、悪趣味な黒仮面を着用した制服姿の青木なのでした。こういう場面じゃなかったら今すぐヤツを駆除したい。 「ウワァアァアァァァァ!」 しかし向山は叫び続ける。まるでオーディーンの存在を無視しているようだ。いや、間違いなく無視しているねアレは。 「ハハハハっ、ならば我が最強にして最後の必殺技をくらうがいい!」 登場早々に必殺技か。出し惜しみしないファンサービス精神旺盛な野郎だ。 黒仮面はわけのわからない構えをとり、 「くらえぇぇぇ!ディィィィィープ・インパクト!!」 確かに衝撃(インパクト)的な技だ。 オーディーンは飛びつき、そのまま向山の唇に狙いを定める。 押し倒され仰向けになっている向山は、やっと身の危険を察したようで、 「や、や、やめてくれ………!」 元のキャラに戻り、絶望の淵に立たされたような表情だ。 さて、仕上げにいこうか。 実はオーディーンの登場はあくまで布石であり、直結的な切り札は、他の一枚だった。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1519人が本棚に入れています
本棚に追加