決行×決着×決別

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『吊り橋効果』とはご存知だろうか? 例えば、ボロい吊り橋を渡る前で足がすくんでいる男女がいる。そしてその場面で告白すれば、ほとんどの確率で成功すると言われているという。 科学的見解だと、恐怖に直面したときの鼓動の早さと恋愛で感じる鼓動の早さが非常に類似しているやらなんたらかんたら。 つまり、恐怖を感じれば感じるほど、恋に落ちているという錯覚を起こしやすいのだ。 とまぁ、誰に説明してるのかは置いといて。 「やぁ~めぇ~なぁ~さーいッ!!!!」 今回の作戦の最終目的は、俺への向山の恋心を断ち切る為である。ズタズタにする為である。もう再起不能にしたいからである。 最も手っ取り早い方法とを考えたところ、俺以外の他のやつ(できるなら女の子)を好きになってもらおうという結論に達した。 そしてこの作戦のメンバーに押田がいる。 もうお分かりだろうか? 押田はあのアブドーラ・ザ・ブッチャーも恐れるような強烈ドロップキックを黒仮面にお見舞いした。確実に病院送り、あわよくば三途の川送りだな。 「大丈夫?向山さん」 七福神でさえ鬱になるような満面のスマイルを浮かべ、彼女は向山に手を差し伸べた。
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