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肩でゼイゼイと息をしているのは、川崎。って何でお前もここに?
「柳瀬君からメールが来たんだよ!『草島大樹がピンチだ。わけがわからないなら屋上へ向かえ』って」
柳瀬め……。話をこじらせるつもりかアイツは。
「で、わけがわからないからここに来たんだけど~……。理恵?顔赤いよ?大丈夫~?」
「あっ、だ、大丈夫よ!」
必死に身振り手振りで平静を装う理恵だが、どこからどうみても大丈夫じゃないように見える。
「良いタイミングで来たな。実は今、草島大樹の今後を大きく左右する議論の真っ最中、」
「その件なんだけど……」
ミズキの言葉を遮り、おずおずと川崎が告げる。
「昨日さ、河内さんが提案したアレさ……私やっぱ反対なんだよね~」
ん?そのメソッドで行くと次くる言葉は………。
「そう。私、大樹君のこと本気で好きみたい」
うんうんそうなるんだよね………って、
「マジかぁあぁぁぁぁぁぁァァァァッ!!」
「うん、マジ」
俺の慟哭は夕暮れのオレンジ色の空に響き、即答するように川崎は微笑む。
よくよく考えればなんてことない話なのだ。川崎はかなりの頻度でベッタリ粘着性接触を試みてきたし、やたらうるうるの眼差しで誘惑してきたし。
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