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「アホか……」
人類の尊厳を保つ為に言わせてもらうが、コイツはミジンコ以下の存在だ。性別の垣根を軽々と乗り越えてくるなんて正気の沙汰じゃない。
大体、たった今クラスのマドンナ(性格に難有り)に告白されようとしていた所なのに、何を血迷って妨げたんだ。アレか、自分なら簡単に勝てると思ったのか。三途の川行き決定だな。
「おい大樹!そう簡単にあしらうなよ!俺は本気なんだ!今度こそ、返事を聞かせてもらうぞ!!」
「無理無駄無価値」
「ふざけるなっ!いつもそうやってたぶらかして……このスットコドッコイが!」
今や向山のブザフェイスが目と鼻の先に。息が臭いのは置いといて、激昂しているようだ。
「今日こそ、返事を―――……」
ヤバい。
横暴な野獣は今にも俺に飛びかかってきそうで、思わず後退りする。
と、その時だった。
「―――わ、私も!」
黙っていた理恵が急に口を挟んできた。良いインターセプトだが、一体何に同意したのやら。
ポカンと開口して静止する向山と俺と川崎。不思議とミズキだけは冷静な表情だ。
理恵はツンデレ特有の顔が真っ赤になるという表情で、「ッ~~!!」と苦悶している。一体何なんだ…?
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