プロローグ

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「今日もカッコいいなぁー!大樹は。その爽やかフェイスはまさに天然記念物だよ」 「はは…ありがと……」 自分の顔が多少ひきつるのを感じた。 「あぁ…カッコいい!!」 まるで芸術品でも鑑賞しているようなうっとりとした顔で、“やつ”は俺の頭を撫でた。背筋に寒気が走る。 チャイムが鳴り、満足したのか“やつ”は自分の席に戻っていった。 そもそも何故俺に接近してきたのか、動機が知りたい。 「それはね、彼は君のことが好きだからさ」 「うわっ!」 俺の心の声に律儀に答えてくれたのは、クラスの秀才、柳瀬俊也君だ。 柳瀬は黒縁の眼鏡をクイッと上げ、いかにも勉強できますよ的なオーラを出している。 「いきなり失礼。だが彼は明らかに君の事を好いている。誰が見ても一目瞭然だ。なんなら街角のOL100人にアンケートしようか?」 「そこまでやんなくていーよ」 すました顔で言う柳瀬だが、実際こいつはそんな事をしそうなやつだ。常にデータを参考にする、古典的眼鏡博士なんです。
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