現実1

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現実1

巧から聞かれた内容をすべてそのままの通りに話せば、巧は抜けたような、変な顔をぼくに見せた。 「たのむ。もう一度、言ってくれ」 「だから、僕は性格を元に戻そうと思うし。ミライも大好きなアストにあったけど、アストに言われたから。二人でイリネに戻るの」 それでも、やっぱり巧は理解できていないらしい。 首をかしげる。 「大体、なんでお前は元の性格に戻そうと思ったの?っていうか、なんで俺様性格だったの?」 「・・・ぐれたって、何も変わらないのが解ってたんだ。ただ、機会が欲しかっただけもあるし。一発きつく言われたから」 総司朗の病室で見た市瀬を思い出す。 「言いたい事があるなら、言ってください!って。だから、言おうと思ってね」 わざと笑顔を浮かべて言えば、巧の顔が青くなった。 うん、なるほど。総司朗の戦法は使えるな。
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