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長い触角を揺らしながらカマドウマさんは近づいてきた。
「詳しいね。アタシたちの事そんなに良く知ってる人間がいたとはね。」
「え?人間?こんなに小さくても人間って認めてもらえるんですか?」
僕はびっくりした。だって変な生き物くらいにしか見てもらえないと思ったから。
「たま~にあんた達みたいに小さくなった人間が迷い込んでくるんだよ。前に会ったのはチューリップの花の中でないていた女の子だったかな。
お椀の船に乗ってた男の子だったかな。」
???
僕とミチトはお互いに顔を見合わせた。あれはホントのお話だったのか。
「…で、どうやったら元にもどれるんですか?」
「さあね。アタシはわからんね。」
なんだかどうでもいいって感じ。
「あの…誰に聞いたら分かりますか?」
僕は必死になって聞いた。たぶん僕のあまりの必死さにちょっとびっくりしたんだろう。カマドウマさんは少し真剣な顔をして、考えてくれた。
「う~ん。そうだねぇ…。よく分からないけど、難しいことは虫の女王に聞くといいよ。」
「虫の女王?」
「…これ以上はダメだ。アタシは難しい事は考えられないんだよ。頭が痛くなってきたよ。」
そう言うと、外へぴょんぴょん跳ねながら出て行った。
。
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